イギリス菓子の素朴な美味しさ

英国菓子教室『The British Pudding』を主宰しておられる 砂古 玉緒 先生のところで、先日2度目のレッスンを受講しました。

先生は、イギリスにのべ10年住んでおられたそうです。

以前スコットランド、アイルランド、イングランドをまわり、各地方のお菓子を食べたことはありましたが、代々家庭で受け継がれているイギリス伝統菓子の作り方を知りたいと、ずーっと思っていました。


今回のメニューは、
“ビクトリアサンドイッチケーキ”
“スティッキー・トフィー・プディング”です。


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こちらが、“ビクトリアサンドイッチケーキ”です。
イギリス人が愛してやまない王室生まれのお菓子です。
ビクトリア女王の高貴な名前とは裏腹にとてもシンプルな茶色いお菓子。

まず、お菓子が生まれた背景やエピソードを、壁面にお菓子や人物や風景の画像などを映しながらお話され、それから実習。

基本的には、バター・砂糖・卵・粉を同量ずつ、順番に混ぜていくだけのパウンドケーキの生地です。
最初から最後まで、木のスプーンで混ぜていくだけというシンプルな作り方でした。
当然焼き上がりは、きめが粗く、ぱっさり、ズッシリ。
空気を入れて作るきめの細かいふんわりした生地とは全くの別物です106.png

このしっかりしたスポンジに、ジャムを挟みます。
華やかなフランス菓子と違い、スポンジケーキの間にジャムを挟んだだけのケーキは、ある意味カルチャーショックである上に、全く空気を入れず木のスプーン1本で混ぜるだけという作り方も仕上がりもダブルでカルチャーショック149.png149.png

「イギリスでは、泡立て器やハンドミキサーは使いません。ふんわりさせてしまうとフランス菓子になります。」と先生。
ふんわりしたスポンジやシフォンケーキなどは、イギリス人にとっては「空気を食べているみたい。」となり、みっちり、どっしり、しっとりした生地を好むんだそうです。
確かにイギリスのフルーツケーキなども、どっしりしていますね。
いずれにしても、イギリスのお粉は、タンパク質が多めで、中力粉に近いです。
より重い仕上がりになるので、より紅茶に合うお菓子になるのでしょうね。


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こちらは、“スティッキー・トフィー・プディング”です。
イギリスのティールームには必ずと言っていいほどおいてある人気のお菓子です。

見た目は茶色のかたまり(イギリスのお菓子はほとんどと言っていいほど茶色のかたまりが多い)。
作り方は、こちらも木のスプーンで混ぜていくだけというシンプルさ。
ですが、驚くほどしっとりしています♪
デーツ(なつめやし)に水分を加えて加熱し、水分ごと生地に混ぜて焼き込むことが、この食感を生む秘密です。
熱々の風味豊かな生地に、熱々のトフィーソースをかけていただきます。(現地ではこれにクロテッドクリームか生クリームを添えるんだとか、最近はバニラアイスが添えられるそうです。)
この甘くてとろりとしたトフィーソースが生地のテクスチャーによくマッチしていて、一口食べると恋に落ちてしまうような危険な美味しさです162.png


長い間イギリスで愛され続けている伝統菓子が沢山あります。
イギリスのお菓子が素朴なのはなぜなのか。
そのお菓子が愛され続けている理由はなぜなのか、お菓子の作り方だけではなく、それぞれのお菓子の背景にある歴史や、お菓子にまつわる由来などをもっともっと知りたいです。
還暦を過ぎてもまだまだ勉強は続きます 102.png


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by lesoleilmidori | 2019-08-08 18:35 | 教室の日々 | Comments(0)

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