よくあるご質問 1 ロールケーキ
2010年 03月 24日
お菓子教室にお越しいただいている皆様からの、疑問・質問についてお答えしたいと思います。
「 ロールケーキが、硬くなってしまいます・・・?」
これは、「ベーシックコース」6月のレシピにある、共立てで作るプレーンなロール生地に対してものです。
いくつか考えられる原因は、
1.卵の泡立て方が足りない場合
2.粉を混ぜすぎている場合
3.焼きすぎている場合 等です。
以下は、ふわっとして、ボリュームもあって、肌理(きめ)が細かく、しっとりしているロール生地に仕上げる為の、ヒントです。
1.卵の泡立て加減
卵は砂糖を加え、湯煎にかけ泡立てていきます。
人肌位になったら湯煎をはずしてさらに泡立て、泡立て器で生地をすくいあげたとき、泡立て器に一瞬からまり、ゆっくりふらふらと落ち、おちた生地がそのまま跡になって残る位しっかりと泡立てます。
きれいな肌理を作る為、卵を泡立てた後に粉を入れてから、かなりの回数混ぜて泡を殺して肌理を整えていきます。
卵はしっかりと泡立てたほうが、厚みも出ていい生地に仕上がります。
2.粉の混ぜ加減
ロール生地の肌理は、粉の混ぜ具合で決まります。
混ぜが足りないと、肌理が粗くなりますし、混ぜすぎると肌理は細かくても、ふくらみの足りない硬い生地になります。
どこまで混ぜるかが、大事です。
教室では、このロール生地のみ、「特選薄力粉(スーパーバイオレット)」を使用しています。非常にグルテンの少ない粉 (タンパク含有量6.5±0.5%)です。
この粉を使用することによって、かなりの回数混ぜることが可能になります。
粉を入れてから、35~40回ほど、へらでかき上げるようにボウルを少しずつ手前に動かしながら、手早く混ぜます。
(教室のレシピは水分量に対して、粉の量が少ない配合になっている為、手早くというのも大切なポイントです。)
この辺で、粉っぽいところがほぼなくなります。
しかし、ここで天板に流して焼くと、非常に肌理の粗い生地が焼けてしまいますので、この後、さらに100回程、ゆっくりめで混ぜていきます。
つやが出て流れる感じになります。ここが大事です。
✻ご参考までに、スポンジケーキ(厚焼き)は、普通の薄力粉(教室ではドルチェ使用)を使った方が美味しいです。パウンドケーキなどは、グルテンがある程度あった方が美味しくなるので、薄力粉の一部を強力粉に変えて作ったりもします。
ふわふわして軽いだけが、美味しいケーキとは限りません。
ふわっとした弾力も必要です。
このようなシンプルな生地こそ、お菓子作りの奥深さが実感できます。
3.焼き加減
生地を天板に流して平らにし、天板を2枚重ねて、200℃のオーブンの上段で、約10分焼きます。
ロール生地のポイントは、高温、短時間、上火で焼き上げることです。
オーブンの温度が低いと、焼き時間が長くなり、からからに乾いて硬くなってしまいます。
焼き上がりまで14~15分もかかるようでは、焼きすぎです。
温度を調節(次に焼くときには、10~20℃ほど上げてみる)して、11分位で焼きあがる温度を見つけてください。
200℃というのは、オーブンによって違います。
レシピの温度はあくまでも目安でしかありません。
250℃にセットしないと焼けない場合もありますし、180℃でも高すぎるオーブンもあります。
皆さんのご家庭のオーブンの高温はどこなのか、早くつかんでいかれることが、お菓子作りが上達するコツです。
焼けたかどうかは、指3本で、中心を少し押してみます。
スポンジケーキの場合は、しっかり弾力がでるまで焼きますが、ロール生地の場合は、スポンジケーキよりもちょっと柔らかいと思われる弾力で焼き上がっていますので取り出します。
天板を2枚重ねるのは、表になる方に焦げ色をつけないためです。
焼き上がったら、紙ごとケーキクーラーにのせ、すっぽりビニール袋に入れて冷まします。(蒸らすようにして冷まします)
このまま半日くらい置いておくと、しっとりとしていい状態になります。
焼き色は、見た目がくどくなるので、はずします。
この時、焼きが足りないと、この部分がべたべたしていますし、焼きすぎた場合は、こびりついてはがしにくいです。蒸らす時間が足りない場合も、取れにくいです。
10~12分位できっちりと焼きあがってよく蒸らした生地は、おもしろい位きれいにはがれますよ。
お菓子作りは、“焼く”というところをマスターしてはじめていいものができます。オーブンに入れて、チーンとなったら夢のような素晴らしいお菓子が焼けていたということはまずありません。
卵の泡立て加減、粉の混ぜ加減、オーブンの温度、時間など、数を焼きながらつかんでいっていただきたいと思います。
コンスタントにいいものを作る為には、焼きこむことが大切です。
一旦、自分のものにしていただけると、そこからは、コンスタントに美味しく作ることができます。
ご参考までに、
私の場合は、一つのお菓子に対して、美味しく出来上がるまで、細かく記録したお菓子ノートを作っています。
この温度ではこう・・・、何度上げたらこう・・・、何回混ぜたらこう・・・というように納得できるまでの記録です。
お菓子によってそれらはすべて異なるので、このお菓子の場合は、オーブンのどの段に入れて、何度で何分がベストなのか等など、ノートに細かく記録してあります。
何年もの記録の詰まった、私の大切なノートになりました。
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